耳鼻咽喉科内視鏡手術支援システム


現在,鼻の手術では内視鏡と呼ばれるビデオカメラと細い手術器具を鼻から挿入して手術を行う方法が主流になっています. この方法では出血などが少なく,患者とって負担が少ないという利点がありますが,医師にとっては手術前に撮影した CTやMRによる断層画像と,内視鏡カメラから得られる画像のみを頼りに鼻の中の手術を進めるため,高い技術が必要となります. また,鼻は狭いばかりでなく複雑で個人差が大きく,目や脳といった重要な部分が隣接していますが,症状がひどい例では熟練した 医師でも患部の位置や方向を見失うことがあり時間がかかります.経験の浅い医師ではなおさらです.そこで,精細なCT画像情報, 高精度な3次元位置センサ,高性能なコンピュータ,そして最近ではゲーム機でも頻繁に見られるようになった3次元グラフィックス やバーチャルリアリティと呼ばれる技術を融合し,カーナビのように現在の手術位置と患部の位置などがリアルタイムに把握できる 手術ナビゲーションシステムを構築する研究を行っています.昨年度より構築したシステムを手術室において実際の手術に使って います.




図.耳鼻科手術における手術ナビゲーションシステム

内視鏡手術の様子.

手術中,医師に提示する患部の3次元モデルとその3断面図
(手術器具を黄色で表示)