大腿骨形状の統計的モデリング
概要
CT画像やMRIの撮影装置などの3次元画像撮影装置の普及により、臓器の3次元画像解析が一般的な医療診断行為になりつつあります。
さらに、複数の対象臓器を計測した形状データを蓄積、統計的な解析を行い、傾向を定量化して、診断に役立てる試みも始められています。
骨の診断において、形状は疾患を判定するひとつの重要な指標であり、その定量化手法の確立が望まれています。
我々の研究グループでは、形状モデルの生成手法として、まず各データにおいて形状特徴(点、線および面)を指定し、次に指定した形状特徴の位置情報を保存したまま、形状モデルを自動的に構成して、形状データを生成する手法を提案しました。
形状特徴に基づく表面形状モデル生成では、大腿骨を特徴的な4つの領域に分割し、それぞれの領域において、形状特徴から表面座標系を構成する手法を提案しました。
本手法により、形状データの全てのノードがデータ間で対応した形状データが生成されます。
さらに、提案手法では、獲得した形状データを統計的に解析し、統計形状モデルを、平均的な形状と形状分散ベクトルの集合で記述しました。

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図:大腿骨統計的形状モデルの変形
関連プロジェクト
特定領域研究プロジェクト 多次元医用画像の知的診断支援
研究発表
2004年度
- 岡田 俊之, 桝本潤, 中島義和, 佐藤嘉伸, 菅野伸彦, 田村進一, "大腿骨形状の統計的モデリング", 文部科学省科学研究補助金特定領域研究「多次元医用画像の知的診断支援」第一回シンポジウム論文集, pp. 3140, 2004.3.15-16.
- 岡田 俊之, 桝本潤, 中島義和, 佐藤嘉伸, 菅野伸彦, 田村進一, "大腿骨形状の統計的モデリング", 第23回日本医用画像工学会大会, P1-28, 2004.